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発明案件

弘前大学技術
整理番号:K23-021

三次元人工腹膜組織

短期間、低コストでヒト腹膜の組織構造を高度に再現

概要

 近年、医療への応用を目的とした組織工学による人工臓器や移植材料等のバイオマテリアルの開発が求められている。特に腹膜は、がんの転移に密接に関与することが古くから知られている。例えば、消化管や卵巣などの骨盤内臓器の多くのがんは、腹腔内に遊離し、腹膜に接着して浸潤し(腹膜播種)、さらには血管やリンパ管を介したさらなる転移を引き起こすことが知られている。したがって、マウス等の実験動物よりも、ヒト生体に近い人工腹膜組織の開発が必要と考えられる。
 しかし、従来の技術では、腹膜組織におけるin vivoでのがん細胞の増殖や浸潤の再現はできず、血管やリンパ管の構造を持たない等の課題があった。
 本発明は、市販の培養器、試薬、培地を用い、8~10日程度の短期間でヒト腹膜の組織構造を高度に再現する三次元ヒト人工腹膜組織及びその製造法に関する。

性能・特徴等

三次元人工腹膜組織

構築した人工ヒト腹膜組織は、微絨毛構造が見られ、人工毛細血管及び人工リンパ管のネットワークを有している。
がん腹膜播種における脈管新生および脈管侵襲の再現が期待される。

応用例

・人工組織製品 
・がんの腹膜播種に対する創薬研究ツール
・人工移植組織の開発ツール

知的財産データ

知財関連番号 : 特許第6296262号   
発明者    : 下田 浩、浅野 義哉、明石 満、松崎 典弥
技術キーワード: 人工腹膜組織、 三次元、 人工血管、 人工リンパ管







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