ヘリウムガスを用いない極低温冷却
超電導冷媒や細胞凍結、半導体洗浄に利用可能
概要
ヘリウムは供給不安やコストが高いため、ヘリウムを用いた冷却システムは使用継続が困難な懸念がある。
本発明は、気体N2とスラッシュN2の二相流体を連続噴霧することで、ヘリウムを用いない急速冷却が可能である。具体的にはラバルノズルを用いて遷音速で噴霧することで、スラッシュN2を連続生成することを特徴とする。
細胞凍結の実施例では、液体窒素浸漬と比較して解凍時における細胞生存率が23%向上する結果を得た。本実施例に限らず様々な冷却システムへの適用の可能性がある。
また半導体洗浄において有害な薬液を使用しないレジスト除去への適用も検討可能である。

スラッシュN2噴霧の冷却特性

応用例
・超電導冷媒
・半導体冷媒
・食品や細胞の急速凍結
・半導体洗浄(レジスト除去)
関連文献
[1] TEION KOGAKU (J. Cryo. Soc. Jpn.) Vol.42 No.5 (2007)
[2] TEION KOGAKU (J. Cryo. Soc. Jpn.) Vol.44 No.2 (2009)
[3] Jun Ishimoto et al 2014 ECS J. Solid State Sci. Technol. 3 N3046 DOI 10.1149/2.009401jss
知的財産データ
知財関連番号 : 特許第4961551号、特許第5419000号、
特許第6153110号、特許第6573363号
発明者 : 石本 淳
技術キーワード: 冷媒、凍結、冷凍、超電導、窒素、N2、ヘリウム代替
極低温マイクロスラッシュ生成システム
効率的、安定的、大量に、微細かつ均一な粒径の固体窒素粒子を容易に生成可能
概要
超伝導技術の発展にともない長距離超伝導ケーブルの次世代冷媒などとして適用が期待されている “スラッシュ窒素”は、現在、粒子径がmmオーダーの大粒径粒子の生成が可能な程度であり、生成される窒素固体の粒径分布も不均一であり、超伝導冷却への適用は困難な状況である。上記の問題を解決することが、超伝導ケーブル冷却技術開発においては強く求められている状態である。
本発明により、微細な粒径を持ち且つ均一な固体窒素粒子を含有するマイクロスラッシュ窒素二相流体といった極低温固液二相流体を、効率的に且つ簡単な手法で作製可能であり、超伝導冷却等を始め冷却用冷媒としての適用が期待される。

性能・特徴等

応用例
・冷却用冷媒
・超伝導ケーブル冷却システム用冷媒
知的財産データ
知財関連番号 : 特許4961551
発明者 : 石本 淳
技術キーワード: 制御、計測、機械
