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最先端技術

東北大学技術
整理番号:T11-045

皮膚微小還流システム

非観血的で痛みが少なく、採血と同等の計測を連続的に行える  関連特許(1/2)

概要

 健康状態を把握するために、採血による生体成分(血糖や乳酸など)の測定が行われている。しかしながら、持続的な測定が困難で、かつ侵襲的であるため使用者への負担が大きかった。そこで、本発明では長時間リアルタイムで生体成分を測定でき、且つ使用者に痛みを与えない生体成分測定センサを提供する。
 具体的には、極微細な皮膚刺入針に特殊な加工を施して皮下組織液を透析のように回収する生体成分測定用のプローブを開発した。金属針表面に穴付き膜で覆われた流路を作製した微小還流針を皮膚に刺入・留置した状態で、流路に還流液(生理食塩水)を循環させる。濃度拡散(浸透圧)により皮膚組織内の物質が流路の穴を通って還流液中に入り込むため、これを体外まで流し、体外に設置したセンサにて計測した還流液中の濃度から血中濃度を推定する。
 本発明は、微小な針を皮膚に貼りつけるだけで、非観血的で痛みが少なく、採血と同等の計測を連続的に行うことが可能である。

皮膚微小還流システム

マウスによる乳酸濃度の測定

皮膚微小還流システム

応用例

・乳酸濃度測定(スポーツ)
・グルコース濃度測定
・治療薬モニタリング
・ストレス、メンタルヘルス評価
など

関連文献

[1] N. Tsuruoka, K. Ishii, T. Matsunaga, R. Nagatomi, Y. Haga, Lactate and glucose measurement in subepidermal tissue using minimally invasive microperfusion needle, Biomed Microdevices, Vol.18, No.19 (2016)

知的財産データ

知財関連番号 : 特許第6120257号   
発明者    : 芳賀 洋一、松永 忠雄、永富 良一、石井 賢治、鶴岡 典子
技術キーワード: 乳酸測定、ウェアラブルデバイス、MEMS

東北大学技術
整理番号:T25-009

定流量バルブ・無電源送液システム

小型・低コスト・長時間駆動が可能な無電源送液システム  関連特許(2/2)

概要

 ドラッグデリバリーシステムやPOCT(Point of Care Testing)デバイス、微小透析などでは、適切な投与量あるいは生体物質の回収率や感度を上げるために、一定流量で送液する技術が重要である。特許第6120257号(関連特許1/2)で開発した皮膚微小還流システムにおいても、生体物質の回収率やセンサ感度を高めるためには、還流液が定流量かつ遅い速度の流量が求められている。加えて微小還流システムの実用化には小型、低コスト、低電力が求められていた。
  本発明は、真空筐体とシリコーン樹脂膜の膨張を用いた陰圧駆動受動式定流量バルブを用いた無電源送液システムである。本システムは、流出口からの吸引圧力が増加すると、それに応じてシリコーン樹脂膜が膨張し、流路断面積を狭めることにより流量を5μm/min以下の一定に制御し、2時間以上の駆動も可能である。

皮膚微小還流システム

本システムの流量、圧力計測

皮膚微小還流システム

応用例

・乳酸濃度測定(スポーツ)
・グルコース濃度測定
・治療薬モニタリング
・ストレス、メンタルヘルス評価
など

関連文献

[1]萱場皐葉, 芳賀洋一, 鶴岡典子, "PMMA板とPDMS膜の積層構造定流量バルブと真空筐体を用いた無電源送液システム," 電気学会論文誌E. vol.145, No.5, pp.69-74, 2025.

知的財産データ

知財関連番号 : 特願2025-084086    
発明者    : 鶴岡 典子、芳賀 洋一、萱場 皐葉
技術キーワード: 乳酸測定、 定流量バルブ、 送液システム







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