ポリイミドより強靭な樹脂モールド
押し込み弾性率8.4 GPa!原版モールドの複製や欠陥検査を安価に実現
概要
モールド(版型)の高い製造コストがナノインプリント技術の普及に向けた
大きな課題である。高価な原版モールドを複製したレプリカモールドがコスト
低減のためには必須であり、さらに繰り返し使用に耐えうるレプリカモールドの
実現が切望されている。現在実用化されている樹脂製のレプリカモールドは、
数回の型転写が限界であり繰り返し耐久性が低い。
本発明は、強靭で繰り返し耐久性に優れた樹脂製レプリカモールドに関す
るものである。本発明のモールドは樹脂中に無機粒子が分散した有機無機
ハイブリッド材料から成り、ポリイミドよりも高い押し込み弾性率を持つ。本
発明のモールドは、従来型の樹脂モールドと比較して離型力が大幅に小さい
ため、繰り返しインプリントを行った後もパターンの欠損が極めて少ない。また、
無機粒子の混合割合が60wt%の時でも流動性が保たれるため、原版
モールドを押し付け光照射により硬化させることで簡便に製造できる。さらに、
耐熱性と紫外光透過性を併せ持つため、熱ナノインプリントと光ナノインプ
リントの両方に適用可能である。なお、パターンの粗密がある原版モールドの
レプリカ製造には、孔版印刷を用いて基板に樹脂を塗布しておくことが有効である。
性能・特徴等
応用例
・ナノインプリント用複製モールド
・微細モールド複製サービス
・原版モールドの受託欠陥検査サービス
関連文献
[1] Jpn. J. Appl. Phys. 2012, 51, 06FJ04.
[2] Bull. Chem. Soc. Jpn. 2020, 93, 862.
知的財産データ
知財関連番号 :特許第5879086号
発明者 :中川 勝、工藤 進平、永瀬 康一、尹 哲民、久保 祥一
技術キーワード:ナノインプリント、レプリカモールド、樹脂モールド