CO-CR-MO基合金およびその製造方法
高強度、高延性、高疲労強度を達成
概要
近年、高齢化の進行を背景に、身体の機能を代替する生体材料が大きな関心を集めている。生体材料として使用されるCo-Cr-Mo基合金は、他の金属材料と比較して耐食性および耐摩耗性に優れるため、人工関節用材料として重要な役割を担っている。多くはASTM F75に規格化される鋳造合金であるが、一般的に鋳造材料は組織が粗大で鋳造欠陥を含む場合が多いため、強度・延性に乏しい。したがって、塑性加工や熱処理を用いた組織制御により、 機械的特性の向上をはかる必要がある。
本発明によって、生体材料として高強度・高延性・高疲労強度を有するCo-Cr-Mo基合金を提供することが可能になった。合金は、特定の組成のCo/Cr/Mo/Nを含み、微細な結晶粒組織と高密度な転位をもつことを特徴とする。巧みな組成と組織制御によって、従来のCo-Cr-Mo基合金を超える、高強度・高延性・高疲労強度の両立を実現することができる。
熱間圧延率の増加とともに強度が著しく増加
応用例
・Niフリーな生体材料
・ステント材料
関連文献
[1] M. Mori, K. Yamanaka, A. Chiba et al., Microstructures and Mechanical Properties of Biomedical Co-29Cr-6Mo-0.14N Alloys Processed by Hot Rolling, Matall. Mater. Trans. A, 2012, vol. 43A, pp. 3108-3119
知的財産データ
知財関連番号 : 特許5846530
発明者 : 千葉 晶彦、山中 謙太、森 真奈美
技術キーワード: Co-Cr-Mo、CCMAlloy、Biomaterial