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最先端技術

東北大学技術
整理番号:T06-011_T07-149_T13-005_T14-156

ヘリウムガスを用いない極低温冷却

超電導冷媒や細胞凍結、半導体洗浄に利用可能

概要

 ヘリウムは供給不安やコストが高いため、ヘリウムを用いた冷却システムは使用継続が困難な懸念がある。
 本発明は、気体N2とスラッシュN2の二相流体を連続噴霧することで、ヘリウムを用いない急速冷却が可能である。具体的にはラバルノズルを用いて遷音速で噴霧することで、スラッシュN2を連続生成することを特徴とする。
 細胞凍結の実施例では、液体窒素浸漬と比較して解凍時における細胞生存率が23%向上する結果を得た。本実施例に限らず様々な冷却システムへの適用の可能性がある。
 また半導体洗浄において有害な薬液を使用しないレジスト除去への適用も検討可能である。

ヘリウムガスを用いない極低温冷却

スラッシュN2噴霧の冷却特性

ヘリウムガスを用いない極低温冷却

応用例

・超電導冷媒
・半導体冷媒
・食品や細胞の急速凍結
・半導体洗浄(レジスト除去)

関連文献

[1] TEION KOGAKU (J. Cryo. Soc. Jpn.) Vol.42 No.5 (2007)
[2] TEION KOGAKU (J. Cryo. Soc. Jpn.) Vol.44 No.2 (2009)
[3] Jun Ishimoto et al 2014 ECS J. Solid State Sci. Technol. 3 N3046 DOI 10.1149/2.009401jss

知的財産データ

知財関連番号 : 特許第4961551号、特許第5419000号、
         特許第6153110号、特許第6573363号
発明者    : 石本 淳
技術キーワード: 冷媒、凍結、冷凍、超電導、窒素、N2、ヘリウム代替



東北大学技術
整理番号:T13-005

極低温固体粒子噴霧を用いた各種細胞の凍結方法

マイクロ・ナノ固体窒素粒子噴霧を用いて高速の凍結速度を維持し、細胞膜・遺伝子の損傷を回避することができます

概要

 極低温の微細固体粒子噴霧を用いて、超高熱流束急冷法を開発した。本手法により、細胞内氷核規模縮小と凍結保存剤等不純物の混入を極力減らすことが可能となり、一般的な液体窒素への浸漬のみを利用した細胞凍結法と比較して、細胞生存率の高い各種細胞の高速ガラス凍結保存法を確立した。
マイクロ・ナノ固体窒素粒子の有する超高熱流束冷却効果により、凍結保護液不要で、氷核生成を極力抑えることが可能となった。
【結果】
 固体窒素粒子噴霧を用いる場合、潜熱熱伝達による冷却の際、固体から液体に相変化する際の融解潜熱が付加され、液体窒素に比して12%程度冷却特性が向上する。さらに超音波振動子をノズルに設置することで、生成される固体窒素粒径を小さくすることが可能になった。粒子径が小さくなったことで蒸発しやすくなり、粒子凝集による膜沸騰状態をさらに形成しにくくし、固体粒子の高速蒸気相変化を利用した潜熱冷却が促進された。これによってA549細胞(ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞)のガラス凍結実験を行ったところ、従来方式(液体窒素浸漬)よりも細胞の生存率が約23%向上することを確認した。

極低温固体粒子噴霧を用いた各種細胞の凍結方法

性能・特徴等

極低温固体粒子噴霧を用いた各種細胞の凍結方法

知的財産データ

知財関連番号 : 特許6153110
発明者    : 石本 淳
技術キーワード: 医薬(リサーチ・ツール)を含む






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