東北大学技術
整理番号:T13-053
形状記憶合金ワイヤを用いた屈曲機構
生体に影響を与えない条件下で柔軟かつ屈曲角度が大きい細径化内視鏡を安価に提供できる
概要
消化管、腹腔など体内での診断治療機器の位置合わせには、軟性内視鏡のように体外からワイヤ牽引で先端を屈曲させる方法が一般的だが、シャフト構造が複雑になり多関節などが難しい。そこで、本発明はガイドワイヤーやステントなどに使用されている形状記憶合金(SMA)を用いた屈曲機構(≒内視鏡)を提供する。本発明は、単純な構造で生体内に影響のない温度範囲で効率的に屈曲できるため、より詳細な観察や治療が可能となる。
本発明で提供する屈曲機構を有する内視鏡の構造
屈曲角度および屈曲時の温度
結果・応用例
インナーチューブの中心軸に対して等間隔に3本のSMAワイヤを配置した試作機を作製し、各ワイヤ(SMA wire1~3)を個別に通電加熱した時の屈曲角度を測定した結果、いずれのワイヤも供給電流280mAで60度程度(曲率半径34mm)屈曲した。また、別の試作機(SMAワイヤ1本)を用いて屈曲時の温度を測定したところ、屈曲角度86度以下(曲率半径23mm以上)で41℃以下となり、体内でも安全に使用できることが示唆された。応用例は腸内観察用を筆頭に各種内視鏡が想定される。
知的財産データ
知財関連番号 : 特願2015-535334
発明者 : 小林 拓生、芳賀 洋一、松永 忠雄
技術キーワード: 医薬(リサーチ・ツール)を含む