東北大学技術
整理番号:T14-026
大腸がん治療薬の応答性及び予後の予測方法
RAS遺伝子変異のない患者群から治療効果を期待できる患者を選別できる
概要
大腸癌患者に対する抗EGFR抗体の投与指針として、RAS遺伝子に変異のない患者のみ投与する方法が推奨されているが、変異のない患者であっても治療効果が得られる割合は低かった。本発明者らは、抗EGDR抗体使用歴を有する大腸がん患者組織のDNAメチル化レベルを網羅的に解析した結果、高メチル化レベル(HMCC)群が低メチル化レベル(LMCC)群に比べて抗EGFR抗体抵抗性を示すことを見出した。
本発明の実施例(引用:Cancer Sci. 2015 Dec;106(12):1722-9)
効果・応用例
コホートAとBにおける無増悪生存期間は何れもLMCC群よりもHMCC群の方が有意に短いことを確認した。また、HMCC群の無増悪生期間/全生存期間は、RAS変異型群と同様の傾向を示した。 ⇒本発明により、抗EGFR抗体抵抗性を示すHMCC群に対する高額な抗EGFR抗体薬の無駄な投与や副作用を回避できる。また、がんの進行 状態や検体の採取条件に依らず、がん薬物療法に対する治療効果を正確に判定できる。
知的財産データ
知財関連番号 : WO2016/060278
発明者 : 石岡 千加史、高橋 信、大内 康太、下平 秀樹、油谷 浩幸
技術キーワード: 医薬(リサーチ・ツール)を含む