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発明案件

東北大学技術
整理番号:T16-155

変異型糸状菌を用いた完全分散培養技術

有用物質の生産量を数倍に!または生産量をそのままにコストを数分の1へ!

概要

 麹菌(Aspergillus oryzae)に代表される糸状菌は、細菌・酵母と比較して蛋白質や複雑な低分子化合物の生産能力が高く、発酵法による多種多様な有用物質の工業的生産に利用されている。しかし、その液体培養において、菌糸同士が絡まり集塊するため高密度培養と有用物質の増産には限界があった。
 本発明は、発明者らが見出した高密度培養に資する高分散性表現型:細胞壁α-1, 3-グルカン欠損(文献1)を達成できる新たな遺伝因子GAGクラスターの欠損株と同株を用いた物質生産方法に関する。
 高分散性表現型を示す麹菌AG欠損株(文献1)に対し、GAGクラスター欠損を追加導入することで分散性が向上し完全分散を達成するとともに、液体培地の空間を効率的に利用した菌体量と有用物質の生産量が増加した(図参照)

AG+GAG欠損株の表現型/培養性状

変異型糸状菌を用いた完全分散培養技術

AG+GAG欠損株の増殖性/物質生産性

変異型糸状菌を用いた完全分散培養技術

応用例

・酵素などの機能性タンパク質/ペプチドの工業発酵生産(増産)
・アミノ酸、抗生物質などの生理活性低分子化合物の工業発酵生産(増産)
・増産した糸状菌バイオマスそのものの活用(代替肉材料、ほか)

関連文献

[1] Miyazawa et al (2019) Front Microbiol 10:2090
[2] Miyazawa et al (2020) Fungal Biol Biotechnol 7(10) 1-13
[3] Ichikawa et al (2022) J Biosci Bioeng 133(1):39-45

知的財産データ

知財関連番号 : 特許第6647653号、ほか(米国、欧州)   
発明者    : 阿部 敬悦、吉見 啓、宮澤 拳、田畑 風華、五味 勝也
技術キーワード: 発酵、増産、糸状菌、代替肉







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