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発明案件

東北大学技術
整理番号:T18-068

膵臓がんの予後予測マーカー

BACH1によるFOXA1発現制御は膵臓がんの上皮間葉移行に関わるキーネットワーク

概要

 膵臓がんは有効な治療薬や早期診断マーカーが無く、アンメットメディカルニーズに位置付けられて久しい。
 本発明は、転写因子BACH1による、FOXA1の発現抑制が腫瘍細胞の上皮間葉移行を亢進させることを確認したことで裏付けられる、BACH1及びFOXA1の膵臓がん予後予測マーカーとしての用途に関する。
 BACH1をノックダウンした膵臓がん細胞株ではFOXA1のmRNA量が上昇する。また、BACH1を過剰発現させた膵臓がん細胞株ではFOXA1の発現量が低下する(図1)。つまり、FOXA1はBACH1の発現制御を受けることが確認された。また、BACH1ノックダウン膵臓がん細胞株では、コントロール細胞と比べて有意な遊走能、浸潤能の低下がみられた(図2)。このことは、BACH1によるFOXA1制御が上皮間葉移行の発現に関わっている可能性を示している。膵臓がん患者の予後を解析したところ、BACH1 Low/FOXA1 Highに分類される患者の予後が最もよく、BACH1 High/FOXA1 Lowの患者の予後は最も悪い(図3)。この傾向は、BACH1-FOXA1のネットワークで制御される膵臓がん細胞の転移 /浸潤能との関係から説明できる可能性がある。

膵臓がんの予後予測マーカー

膵臓がん患者の内、BACH1 High/FOXA1 Low群の予後が最も悪い

膵臓がんの予後予測マーカー

応用例

・体外診断用医薬品(膵臓がんの予後予測)
・膵臓がん治療薬の薬剤スクリーニング

関連文献

[1] Masaki S et. Al. Cancer Res.2020 Mar 15;80(6):1279-1292

知的財産データ

知財関連番号 : 国際公開番号 WO2020/170446
発明者    : 五十嵐 和彦、松本 光代、佐藤 正規、西澤 弘成
技術キーワード: バイオマーカー、創薬、がん、膵臓がん、BACH1、予後予測







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