TOP > 発明案件 > T18-108

発明案件

東北大学技術
整理番号:T18-108

レアメタルを金属種毎に分離回収可能なレアメタルリサイクル法

酸性廃液が発生しない、低環境負荷なシンプルプロセス

概要

 資源の乏しい日本国において、レアメタルを回収して再利用する技術は極めて重要である。特に、電気自動車の需要が高まる中、リチウムイオン電池の正極材からレアメタルを回収することが大きな産業課題となっている。現在実用化されているレアメタル回収法は、レアメタル以外をガス化してしまう熱還元法と、溶液により金属種を抽出する湿式法の2つが挙げられる。熱還元法でのレアメタル回収は、レアメタルを金属種毎に分離回収できないことが課題であり、湿式法でのレアメタル回収は、酸性廃液の発生による高環境負荷性が課題である。
 本発明は、酸性廃液を発生させずに、レアメタルを金属種毎に分離回収可能なレアメタルリサイクル法に関するものである。本発明を使用した回収装置の一例を右図に示す。アセチルアセトン蒸気がレアメタル含有廃棄物と反応することで、有機金属ガスとなる。有機金属ガスは分離装置に入り、沸点の差を利用して金属種ごとに回収される。回収された有機金属は、水素還元、加水分解、炭酸塩化などの反応により、金属単体や金属化合物の形でリサイクルされる。前述の反応では、反応後に必然的にアセチルアセトンが得られるため、溶媒の循環利用が実現できる。
現在、分離装置から回収装置の間で、金属単体を約80%の割合で回収可能となっている。

レアメタルを金属種毎に分離回収可能なレアメタルリサイクル法

装置の概要図と回収された金属Coの例

レアメタルを金属種毎に分離回収可能なレアメタルリサイクル法

応用例

・リチウムイオン電池正極材からのレアメタル回収 
・その他、レアメタル含有廃棄物からのレアメタル回収

知的財産データ

知財関連番号 : 特許第7054536号
発明者    : 佐々木 康、三木 貴博
技術キーワード: レアメタル分離回収、レアメタルリサイクル







発明案件一覧に戻る

ページトップへ