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発明案件

東北大学技術
整理番号:T18-116

水熱酸浸出を起点としたリチウムイオン電池正極材料のリサイクル

環境負荷の低減・装置の腐食回避・反応時間の短縮などの効果が期待

概要

 リチウムイオン電池からの有価金属回収法としては、酸を用いて金属成分を浸出させた後、有機溶媒を使用する逆抽出法を用いて各種金属を分離する湿式精練法が主に用いられている。しかし酸として用いられる硫酸や硝酸によって、有毒ガスが発生するため環境負荷が大きく、還元剤として使用する過酸化水素も爆発性や発がん性を有するなどの問題がある。過酸化水素を添加しない系では、金属イオンの回収率が低下するため、プロセスの改善が求められている。 
 上記課題を解決するため、発明者らは水熱反応に着目し、酸の種類等の反応条件の検討を行った。その結果、クエン酸やアミノ酸のグリシン等の有機酸を使用することで、強酸と還元剤を使用せずに、ほぼ完全に金属を浸出させることに成功した。本発明により、連続操作、反応時間の短縮、装置の腐食回避の効果が期待できる。

水熱酸浸出を起点としたリチウムイオン電池正極材料のリサイクル

グリシンを用いた水熱反応による金属浸出と分離回収[2]

水熱酸浸出を起点としたリチウムイオン電池正極材料のリサイクル

応用例

・リチウムイオン電池正極材料のリサイクル 
・金属資源回収
・鉱山開発

関連文献

[1] JST東北大学新技術説明会, 2019
[2] ACS Sustainable Chemistry & Engineering, 11, 35 (2023),13033–13042

知的財産データ

知財関連番号 : 特許第7398080号    
発明者    : 渡邉 賢, 柴崎 絢祐
技術キーワード: レアメタル, リチウムイオン電池, 水熱, リーチング







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