胎盤を構成する細胞への分化能を有する細胞およびその製造方法
ヒト多能性幹細胞からの胎盤幹細胞の樹立に成功
概要
ヒト胎盤または胚盤胞から樹立されたヒト胎盤幹細胞(TS細胞、関連文献1,2)は、周産期/婦人科領域における創薬開発や、着床障害による不妊への治療法開発などに有用で注目されている。
本発明は、長く達成されなかったES細胞、iPS細胞といった多能性幹細胞から樹立したTS細胞(以下、iTS細胞)に関する。iTS細胞は、胎盤または胚盤胞から樹立したTS細胞と同様に、多くの継代を経ても未分化な状態を維持しつつ、適切な条件下でST細胞やEVT細胞といった胎盤を構成する細胞へ分化できる。iTS細胞の遺伝子発現プロファイルは、胎盤または胚盤胞由来TS細胞のそれに類似しつつ、元となったES細胞/iPS細胞のそれとは異なる(図参照)。
性能・特徴等
応用例
・胎盤異常に起因するヒト疾患のメカニズムの解明や治療法開発
・自家TS細胞のARTへの応用と、着床・妊娠率の向上法の開発
・胎盤の免疫寛容メカニズムの解明と、免疫抑制剤の開発
・医薬品・化学物質の安全性(毒性)評価法の確立
関連文献
[1] Okae et al (2018) Cell Stem Cell 22, 50-63.
[2] 特許第6400832号
[3] Cinkornpumin et al (2020) Stem Cell Reprots 15, 198-213.
[4] Castel et al (2020) Cell Reprots 33, 108419.
知的財産データ
知財関連番号 : WO2020/250438 A1
発明者 : 有馬 隆博、小林 記緒、岡江 寛明
技術キーワード: 医薬(リサーチ・ツール)を含む