電気で潤うコンタクトレンズ！

バイオ電池搭載で電気浸透流による保湿効果を実現

概要

　コンタクトレンズ（CL）の普及を背景として、ドライアイ罹患者数が増加傾向にある。また、今後は生体モニタや通信・表示機能を有するスマートCLの普及が予想されており、有効なドライアイ対策が求められ ている。
　今回発明者らは、長年蓄積してきた「ハイドロゲルの合成・成型技術」、および「生体親和性電池による発電技術」に基づき、ドライアイを予防しうるCL型デバイスを開発した。具体的には、電気浸透流の発 生効率が高く、成型性にも優れるハイドロゲル素材を開発し、CLに用いると、通電によってレンズ内に水流が発生し、CL の湿潤状態を維持できること、角膜上の涙液層を安定させることを見出した。さらに、コンタクトレンズにバイオ電池を搭載して、外部からの電力供給を必要としない自立型デバイスとして駆動させることにも成功した（下図）。
　本発明はドライアイの予防だけにとどまらず、目薬の徐放制御や、房水排出の誘起による眼圧制御においても重要であり，点眼器や注射器に並ぶ眼孔への注出入法として発展すると期待できる。

自立型デバイスにおける乾燥抑制

応用例

・ドライアイ緩和機能を持つコンタクトレンズ
・医療機器への応用（目薬の徐放制御、眼圧制御）
・スマートコンタクトレンズ

関連文献

【１】S. Kusama, M. Nishizawa, Advanced Materials Technology, 5 (2020)1900889.
【２】東北大学プレリリース

知的財産データ

知財関連番号　： 7352979号（日）, 3936091号（英・仏）, 602019033310.2号（独）
発明者　　　　： 西澤　松彦、吉田　昭太郎、草間　慎也
技術キーワード： コンタクトレンズ、ドライアイ、スマートコンタクトレンズ、バイオ電池