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発明案件

東北大学技術
整理番号:T19-390_T19-706_T19-709

6 MGOe以上のBHmaxを示すレアアースフリー強磁性粒子粉末

大きな飽和磁化をもつα“-Fe16N2粒子粉末を実現

概要

 近年、ネオジムの国際相場が高騰している。脱炭素化を国策として推進している中国において、風力発電用や電気自動車用のモーターとして需要が増大していることが原因とみられている。また、日本国内では経済安全保障の観点からの議論も活発であり、レアアースを含有しない磁性材料が強く求められるようになってきた。なかでも、鉄と窒素のみから成る安価なFe-N系磁性材料への期待は大きい。特に、結晶がbct構造であり、大きな飽和磁化をもつことが予測されているα“-Fe16N2は高い注目を集めている。 
 しかし、α“-Fe16N2自体は、Fe-N系化合物をアニールした際に晶出する準安定化合物であり、バルク体として単離した報告はほとんど無い。数少ない報告例も、 α“-Fe16N2と安定相との共晶や、100℃環境で10日間しか存在しないものなどであり、α“-Fe16N2単相をバルクとして安定的に単離した例は存在しない。
 本発明は、α“-Fe16N2の安定単離粉末に関するものである。本磁性粉末は、フェライトやアルニコより大きな6 MGOe(48 kJ/m3)以上のBHmaxを示す。また、金属Feを上回る221 emu/gの飽和磁化値を示し、アルニコより大きくフェライトと同程度の2 kOe(160 kA/m)以上の保磁力を示す。本磁性粉末はフェライトやアルニコより優れた磁石をレアアースフリーで作製できるため、高騰が続くネオジム磁石の代替磁石として、モーター等への応用が期待できる。

α“-Fe16N2の安定単離に成功

6 MGOe以上のBHmaxを示すレアアースフリー強磁性粒子粉末

応用例

・異方性磁石 
・圧粉磁石
・ボンド磁石
・その他、モーターなどネオジム磁石の代替磁石としての用途

関連文献

[1]Appl. Phys. Exp. 2013, 6, 073007.
[2]Chem. Commun. 2013, 49, 7708.
[3]Chem. Commun. 2014, 50, 7040.
[4]J. Appl. Phys. 2014, 115, 103905.
[5]Phys. Rev. B 2014, 90, 134427.
[6]J. Magn. Soc. Jpn. 2017, 41, 58.

知的財産データ

知財関連番号 : 特許第5769223号、特許第5822188号、特許第5831866号(対応する海外権利保有)
発明者    : 高橋 研、佐久間 昭正、小川 智之、緒方 安伸、小林 斉也、ポルワッタ ガラゲ ルワン、小原 香
技術キーワード: 材料







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