東北大学技術
整理番号:T19-802
陽極酸化を施した生体用チタン合金
骨に近いヤング率を維持しつつ、高い抗菌性と生体活性を有する
概要
生体内材料や人工股関節の材料は、応力遮蔽による骨への悪影響を防ぐため、骨に近いヤング率をもつこと、及び、骨への生体活性を付与することが求められている。また、Ti合金の埋め込み手術の際に、オートクレーブによる滅菌処理がなされるが、低温加熱によるオートクレーブ処理によって酸化脆化やTi合金の相変化に伴う機械的性質の劣化という課題があった。
本発明はオートクレーブ処理に代わり、陽極酸化を用いることで、骨に近いヤング率を維持しつつ、高い抗菌性と生体活性を有するチタン合金の製造を可能とするものである。具体的には抗菌活性値(JIS R 1702)が2.0以上を呈し、疑似体液への浸漬により骨の主成分であるハイドロキシアパタイトの析出から生体親和性を有する。
異なる種の菌に対しても高い抗菌活性値を示す
応用例
・生体用チタン合金、特に人工股関節の材料
関連文献
[1] S. Hanada, N. Masahashi, T.K. Jung, S. Semboshi, Mater. Sci. Eng. A 802 (2021) 140645.
[2] 正橋直哉、森優、田中秀達、小暮敦史、野呂篤司、上村雅之、山田則一、井樋栄二、花田修治、チタン, 34 (2016) 216-221
知的財産データ
知財関連番号 : 特開2022-22088
発明者 : 正橋 直哉、花田 修治、目代 貴之、井樋 栄二、森 優、井上 博之
技術キーワード: Ti-Nb-Sn、TNS合金、生体活性、抗菌性、ヤング率、抗菌活性値、ハイドロキシアパタイト