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発明案件

東北大学技術
整理番号:T20-1263

FeSiAl合金を用いたMTJ素子

高TMR比・高センサ感度・コストダウンを達成。従来のFeSiAl合金より広い組成範囲で作製可能。

概要

 高感度磁気センサとして、磁気トンネル接合(MTJ)素子のトンネル磁気抵抗(TMR)効果を利用したTMRセンサがあり、MTJ素子は自由層の磁気異方性を制御することでTMRセンサの特性を制御できる。このことから、室温で生体の微弱な磁場を検出する生体磁気計測装置、非接触の例えば電気自動車のバッテリ残量検知、コンクリート構造物中の鉄筋の破断や劣化を検知する非破壊検査用磁気センサ、等への応用が期待される。
 従来、TMRセンサに利用可能なMTJ素子の自由層として、NiFe合金やCoFeB合金、 CoFeSiB合金などが開発されているが、さらなる高感度化やコストダウンが求められている。
 そこで本発明ではFeSiAl合金(センダスト)に着目し、これまで製造できていなかったナノメートルオーダーのセンダスト薄膜を製造し、自由層に適用することで、NiFe合金等と同程度のセンサ感度を達成するMTJ素子を作製した。また従来考えられていたセンダストの中心組成より広い範囲で、優れた軟磁性特性を示すことも明らかとなった。

FeSiAl合金を用いたMTJ素子

特定温度で熱処理時に最大のTMR比とセンサ感度

FeSiAl合金を用いたMTJ素子

応用例

・心臓や脳などの生体磁気計測装置 
・非接触・低消費電力・高感度の電気自動車のバッテリ残量検知
・コンクリート構造物中の鉄筋の破断や劣化を検知する非破壊検査用磁気センサ

関連文献

[1] Kosuke Fujiwara , Mikihiko Oogane , Saeko Yokota , Takuo Nishikawa , Hiroshi Naganuma and Yasuo Ando, J. Appl. Phys. 111 , 07C710 (2012)
[2] Shoma Akamatsu, Mikihiko Oogane, Masakiyo Tsunoda, et al. AIP Advances 10, 015302 (2020)

知的財産データ

知財関連番号 : 特開2022-94518 
発明者    : 大兼 幹彦、赤松 昇馬、安藤 康夫、熊谷 静似
技術キーワード: FeSiAl、センダスト、MTJ素子、TMRセンサ、生体磁気計測、バッテリ残量検知、非破壊検査、高センサ感度、コストダウン







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