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発明案件

東北大学技術
整理番号:T20-2968

多結晶ホイスラー合金薄膜

多結晶でも単結晶と同レベルの特性を示し、フレキシブル基板上に製膜可能

概要

 Co2MnGaやCo2MnAlに代表されるCo基ホイスラー合金は、大きな異常ネルンスト効果や異常ホール効果を示すため、高感度センサや高効率熱電変換素子の候補材料として注目を集めている。上記の優れた特性を発現させるためには、単結晶成長させたバルク材料、または単結晶基板上に成長させた単結晶薄膜が必要と考えられ、そのような試料が作製されている。しかしながら、実際のデバイスへの応用を視野に入れると、単結晶基板を用いない多結晶膜において単結晶の材料と同等の特性を示すことが不可欠と考えられていた。
 本発明では、単結晶薄膜と同レベルの異常ホール角(θAH~7.5 %)および以上ネルンスト係数(SANE~5 μV/K)を示しながらも、単結晶基板に限らない「多結晶ホイスラー合金薄膜」を提供する。多結晶層を絶縁性のAlN層で挟みこむことで、結晶配向の制御や結晶性の向上を促進することができる。

多結晶ホイスラー合金薄膜

多結晶ながらも単結晶レベルのθAHおよびSANEを達成

多結晶ホイスラー合金薄膜

応用例

・パイプ内の排液や、室内外温度による発電を可能とする熱電変換素子 
・室内外の温度差(温度勾配)による発電
・フレキシブル基板上にホールセンサを初めとする高感度センサを実現

関連文献

[1] Jian Wang, Yong-Chang Lau, Weinan Zhou, Takeshi Seki, Yuya Sakuraba, Takahide Kubota, Keita Ito, and Koki Takanashi“Strain-Induced Large Anomalous Nernst Effect in Polycrystalline Co2MnGa/AlN Multilayers” Adv. Electron. Mater. 2101380-1-8 (2022).

知的財産データ

知財関連番号 : JP特開2022-129848、WO2022/181642A1、TW111106123
発明者    : 王 建、関 剛斎、高梨 弘毅
技術キーワード: Co基ホイスラー合金、多結晶、フレキシブル、熱電変換、異常ホール効果、異常ネルンスト効果、ホールセンサ、高感度センサ







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