炎症性疾患の治療・予防薬と薬剤スクリーニング方法
xCT阻害又はGln合成酵素阻害による抗炎症作用
概要
炎症性腸疾患(IBD)の治療薬は種類が限られ、免疫抑制などの重篤な副作用を持つため、副作用のない薬剤の研究が訴求されている。
シスチン/グルタミン酸アンチポーターxCTの発現は、IBDの正常粘膜では低い一方で炎症粘膜では高いことが報告されており、発明者らはIBDにおけるxCTの役割に着目した。
【研究結果】
・腸管上皮特異的xCT欠損マウスはDSS(Dextran Sulfate Sodium)腸炎に抗炎症作用を示した(図1)。
・グルタミン合成酵素阻害薬(MSO:メチオニンスルホキシミン)はDSS腸炎に抗炎症作用を示した(図2)。
⇒xCT阻害剤又はグルタミン合成酵素阻害剤が、炎症性疾患の治療/予防薬になりうることが示唆された。
xCT欠損・Gln合成酵素阻害の腸管機能への影響
パートナー企業様募集
・ 腸管上皮特異的Gln合成酵素欠損マウスでの検証、xCT阻害薬エラスチンの効果検証、チュブリンのグルタミレーション修飾と腸管上皮バリア機能との検証を予定。
・炎症性疾患の治療薬・予防薬の開発パートナーを募集。
(低分子化合物、核酸医薬、ドラッグデリバリーシステム など)
関連文献
[1]岩城英也、関根弘樹、村上昌平、加藤伸史、北村⼤志、魏范研、 佐藤英世、福田真嗣、曽我朋義、角田洋一、 正宗淳、本橋ほづみ: 「炎症性腸疾患モデルでのxCT阻害による抗炎症作用」第96 回⽇本 ⽣化学会⼤会、2023.10.31-11.2
知的財産データ
知財関連番号 : 特願2023-176062
発明者 : 岩城 英也、本橋 ほづみ、関根 弘樹、正宗 淳、角田 洋一
技術キーワード: 腸炎 炎症性腸疾患