免疫チェックポイント阻害剤
LILRB-インテグリン相互作用を標的とした新規ミエロイド系免疫チェックポイントの阻害剤
概要
T細胞系の免疫チェックポイントに対する抗体医薬は多くの関心を集める一方、薬効は一部のがん患者に限定的と報告されている。そのため、薬効が確認できない患者向けとして、ミエロイド系免疫チェックポイントを阻害するコンセプトの治療薬開発が期待されている。そのうち、LILRB2(B2)及びLILRB5(B5)のリガンドと言われるMHC class Ⅰはまだ仮説の域を出ず、またLILRB3(B3)はリガンドが不明であり、治療薬開発研究にかかせないリガンド特定が必要である。
本発明はB2、B5及びB3とインテグリン(ITG)と間の相互作用を見出し、それら相互作用を阻害することによる治療コンセプトを提案する。
本技術のポイント:
・新規相互作用の発見 B3などが細胞接着分子ITGのβサブユニットと直接結合し、免疫細胞の機能を抑制していることを特定した。
・免疫細胞機能の根本的改善 免疫細胞の接着・遊走・活性化に必須なITGの活性化を直接制御できるため、結合を阻害する物質(例:抗LILRB抗体など)を有効成分とし、抑制されていたITGの活性化を促進し、免疫細胞の機能を回復させる 。
抗B2,B3またはB4抗体を用いたFak及びSykのリン酸化分析結果

応用例
・がん、自己免疫疾患、炎症性疾患、アルツハイマー型認知症、感染症、アレルギー性疾患など、幅広い免疫チェックポイント関連疾患の治療薬
関連文献
[1]特許第7740705号、ほか(米国、欧州)(整理番号:T18-289)
知的財産データ
知財関連番号 : PCT/JP2025/012453
発明者 : 高井 俊行、SU MEI TZU、与謝 玲
技術キーワード: 免疫チェックポイント阻害剤、 がんの治療薬、 LILRB2、 LILRB3、 LILRB5、 インテグリン
