東北大学技術
整理番号:T24-006
溶融鉄中のトランプエレメント分離方法
硫化物を添加せず、実操業並みのメタル中Cu組成で、脱銅を達成
概要
鉄スクラップを用いたリサイクル製錬において酸化除去が困難なCu, Ni, Sn等はトランプエレメントと呼ばれ、鉄のリサイクル原料(スクラップ)の再資源化率を上げられない原因となっている。特にCuは鉄再資源化のボトルネックとなることが予想される。
これに対し発明者らは先願の特許第7515880号において、溶融鉄中のCuイオンのみを選択的に陰極上に電析させる技術を発明した。ただしその実施例はメタル中のCu組成が数%と実操業とはかけ離れた値であり、また硫化物を添加していたため、実操業では脱硫を行う必要があった。
本発明は、反応形態や雰囲気などを調整することで、硫化物を全く添加せずとも、実操業並みのメタル中Cu組成で、脱銅を達成する技術である。

硫化物を添加せず脱銅を達成

応用例
・鉄スクラップを用いたリサイクル製錬
・連続的なトランプエレメント除去
関連文献
[1] Paeng, J.; Judge, W. D.; Azimi, G. Electrorefining for Copper Tramp Element Removal from Molten Iron for Green Steelmaking. Resour. Conserv. Recy. 2024, 206, 107654.
知的財産データ
知財関連番号 : 特願2024-112310
発明者 : 夏井 俊悟
技術キーワード: リサイクル製錬, 鉄鋼リサイクル, 鉄スクラップ, トランプエレメント分離, 不純物分離, 連続処理