血管内駆動カニューレ型酸素化システム
ECMOの小型化を目指す、ガス交換機能を備えた二重腔カニューレ
概要
重症呼吸不全や酸素飽和度の低下を呈する患者に対して、体外式膜型人工肺(ECMO)が使用されているが、従来のシステムは大掛かりで侵襲性が高く、操作にも専門性が求められる。そこで本発明は、小型で簡便、かつ効果的な酸素化・二酸化炭素除去を実現するシステムを提案する。
具体的には、小型軸流血液ポンプを内蔵した二重腔構造のカニューレ(ダブルルーメンカニューレ)を用いた膜型酸素化システムである。中空糸膜を活用した酸素化層をカニューレ内部に構築し、カニューレ単体で血液の送血・酸素化・二酸化炭素除去を可能とする革新的な設計とした。
・ポンプと酸素化器を一体化:追加の人工肺ユニット不要
・単一ポート挿入:大腿静脈または頸静脈からの経皮挿入で、右心房までアクセス
・再循環制御:回転速度調整による流量・酸素化性能の最適化が可能
・低流量下でのガス交換実証:Proof of Conceptとして、0.2 mL/minでの酸素化・CO₂除去性能を確認

応用例
・簡易型V-V ECMOシステム (ECMO前のブリッジデバイス)
・慢性呼吸不全患者に対する長期的ガス交換サポート
関連文献
ICBHI 2024. IFMBE Proceedings, vol 118. Springer, Cham.
https://doi.org/10.1007/978-3-031-86323-3_13
知的財産データ
知財関連番号 : 特願2024-189780
発明者 : 白石 泰之、中野 康太郎、佐藤 大峻、CHIKWETO FRANCIS、深谷 碧、山家 智之
技術キーワード: カニューレ、カニューラ、カテーテル、医療機器、エクモ、呼吸不全
