固体金属同士の接合
従来冶金接合できない相分離金属同士を、部材形状を維持したまま強固に接合できる
概要
異種金属の接合技術は、自動車や鉄道、航空機等の移動体において、機体の軽量化を実現し、安全性、スピード性能の向上と、軽量化によるCO2排出削減等に寄与することが期待される。しかし、金属の種類によっては、素材間の相性が悪く相分離し、接合が難しいことが課題となっていた。
発明者らは特許第6710707号広報等に示す脱成分法(デアロイング)により前記の相性の悪い金属同士、例えばFeとMgを接合する方法を開発した。Fe先端にFe-Ni中間層を予め拡散接合し、Fe-Ni中間層をMgと接触させて加熱することで、デアロイングを起こした。中間層からNiのみがMg側へ脱成分され、ポーラス構造を自己組織化するFeの隙間をMgが充填し、接合界面にFeとMgが絡み合った構造を持つ複合組織が形成したことで、強固なFe-Mg機械接合を達成できた。またMg-Ni合金反応に伴う溶融温度の低下を利用することで、被接合材の部材形状を維持したまま、接合界面のみ液相化させ、デアロイングを促進できた。同時に、突合せ圧力をかけ続け、凝固すると脆くなる合金液体を外部に排出した。

十分な接合強度が得られた証拠に、Mg部材中で破断

応用例
・相分離して冶金接合できない異種金属を接合( FeとMgや、TiとMg等を接合した実施例あり)
・移動体の軽量化、省エネルギー化
関連文献
[1]https://doi.org/10.1016/j.matdes.2024.113095
[2]https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2023.115404
[3]https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0925838824004444?via%3Dihub
知的財産データ
知財関連番号 : 特願2024-205474
発明者 : 加藤 秀実、倉林 康太、大橋 勇介
技術キーワード: 異種金属接合、 デアロイング、 脱成分